また前回の記事に続きまして?
第3部の作品が【メリー・ウィドウ】だと先生から伝えられて
( みか、みき、みちよ ) 初めて聞く演目だったので、どんな物語なんだろう?どんな踊りなんだろう?とすぐに動画を検索して調べ始めました。
ー あらすじ ー
舞台はパリにあるポンテヴェドロ国大使館。 国の財政難にあえぐポンテヴェドロ国では大富豪の未亡人ハンナが誰と再婚するのかという話題 で持ちきり。大使のツェータ男爵はハンナが外国人と再婚すると財産が国外に流出するので元恋人ダニロと再婚するのが良いと考え、ハンナを舞踏会に招待しダニロと引き合せる。 一方で大使の若い妻ヴァランシエンヌとフランス人のカミーユは密かに恋仲にある。 大人の恋の騒動を描いた喜劇。
幕開きの場面
( みき ) リハーサルではゲストダンサーがいらっしゃるたびに全体像が見えて物語に引き込まれ、 特に表情の大切さを改めて感じました。
( みか ) 先生方のダイナミックな踊りとコミカルな演技にワクワクしました!
( みちよ ) 会話が聞こえてくるような豊かな表現に惹きつけられて、これからどんな騒動が起きる のだろうと期待がふくらむ場面でしたね。
次は国王誕生日の祝賀舞踏会
招待された貴族達が登場し、ワルツを踊ったり歓談する場面
( みか )いつもはそれぞれの場所でお稽古している葉山とパルティールの生徒が、心をひとつにし て踊る場面。貴婦人らしく優雅にかつ軽快に…これがなかなかの課題でした。 扇子の持ち方からアームスの使い方、上半身をいかにキレイに見せるか等々、細かいところまで たくさん指導していただきました。
( 3人とも )参考動画で研究してアドバイスし合ったりも。
( みちよ )ただ歩くという何気ない動きが難しくて。日頃のレッスンで教わっている軸の移動を 意識しながら舞台で歩いてみたところ、自然と頭までピンと伸びて「あ!こういうことだったんだ!」と。……とはいえ、本当にできていたかどうかはわかりませんが自分なりに感じられた瞬間でした。
( 3人とも )円になって踊るワルツは大好きな場面のひとつ。全員が大きく息を吸い、ドレスの 裾を摘んだポーズで一気に一体感が生まれましたね。
そして、素子先生演じるハンナの登場!
( みか )もちろん釘づけです!踊りや仕草のひとつひとつに説得力やオーラがあって…。
( みちよ )眩しかったです!圧巻の登場に観客席からため息がもれたのが伝わってきました。
( みき・衣装製作 )一目でお金持ちの未亡人と認識できる黒!を念頭に生地選びをしたんです。 リフトが多く豪華に飾り付けを施すことができないので悩みました。
そんな中、元恋人のダニロが登場
お互いを忘れられないけれど誤解から心がすれ違う2人。 そしてこの物語の重要な部分である、かつて2人が愛し合っていた頃の回想場面に。 現在の裕福な未亡人から可憐な村娘のハンナになって ( 早替え ) (…早着替えのこと)
パ・ド・ドゥを踊られました。
( みちよ ) お客様は早替えしたことに気付かれたかな?
( みか ) 1分という短い時間での登場だったから、まさか黒い衣装のハンナが着替えて出てきたとは最初は思わなかったかも。見ているうちに「 あら!?」、「もしかして!? 」、「あ、同じ人だ!」って気付いたのでは。
( みき ) 堂々としたハンナと対照的な雰囲気のハンナ。 衣装を替えるとスイッチが切り替わるのは普段の生活ではあるけれど、舞台でも同じなのかな?
ここで!《1分で早替え》のウラ話
( みき・衣装製作 )実は早替えシーンとは知らずに衣装を作ってしまって、汗。 本番までの苦労話はありすぎて割愛します、笑。
( みか・髪型担当 )正直、最初は何をどうしていいのか見当もつかなかったです。ティアラやかんざしでは髪が絡まってしまうから時間がかかるし…。踊っていても取れずかつサッと外せる仕様になるよういろいろ考えました。
( みちよ・小物担当)小物外しに手間取ると衣装や頭飾りの替えに支障が出るので、2人の動きを邪魔しないような動線を考えました。
イメトレではうまくいきそうな段取りも実際練習してみるとなかなかスムーズにいかなくて、本番 本当に間に合うのか!!ってずっとドキドキしていましたよね。
( みき )始めは白いサテンの手袋をしていて、これが思った以上に脱がせづらく難所でしたが、 ゲネプロの時にいらした岸千恵子先生の「手袋がないほうが美しい」の鶴の一声で一気に10秒短縮できました。
( 3人とも )試行錯誤を重ねて迎えた本番の早替えは、これまでで1番スムーズでした。私た ち、ほっとして魂が抜けたみたいに、笑。 閉幕後に先生からねぎらいのお言葉をいただいたときは、嬉し涙とこのような機会を与えてくださったことに感謝の気持ちがこみ上げてきました。
時は戻り再び舞踏会場面に
( みか )三角形で踊る場面は形を保ちながら踊るのが難しかったですね。
体の向きがチョットずれるだけで列もずれちゃうので何度も練習しました。
( みちよ ) レッスンで先生が熱心に指導してくださるおへその向き、こういう場面でその重要さを痛感します。普段からもっともっと気をつけなきゃって。
( みか )本当ですね。日頃のレッスンの全てが舞台につながっているんだって改めて実感しまし た。
( みき )この場面は女性の強さとしなやかさが表れていてとても好きなんです。
( みちよ )踊るたび回るたびにドレスの裾がその動きを追うように大きくなびいて華やかでした ね。
次は児童とベビークラスによるカンカン
( みちよ )カンカンの弾む曲に合わせてスカートの裾を持って踊る子供たちの姿に、場内が盛り 上がりました。跳んだり足を上げたり元気いっぱいで堂々とした踊りでした。
( みか )ベビークラスも小さいながらにしっかり曲を理解して楽しんで踊っていました。みんなとても可愛かったです。
舞踏会はさらに盛り上がりを増して、ハンナがダンスの相手を選ぶ場面
ハンナはダニロを選んだが、彼は気まずさから別の女性を選んでしまう。
( 3人とも )1列に並んだ貴族たちが踊り出したダニロと女性を目で追ったあと、一斉に振り返って取り残されたハンナに注目する場面が私たちのお気に入りです。
大使と妻とカミーユが3人で踊る場面
( みちよ )田名部先生演じる大使が妻とカミーユの関係を見てしまった時の表情、なんとも切な くて心が揺さぶられました。
( みか )そのあと若い2人の想いを寛大な心で優しく包み込む大使の演技にも胸を打たれました ねー!
( みき )そうそう!
お互いの愛に気付いたハンナとダニロが踊る場面
( みか )艶やかで華やかで、見ていてため息が出ちゃいました。
( みき )ドレスのスカートの重量、分量があるにもかかわらず荷重を感じさせないリフトに驚き ました!
( みちよ )しっとりとワルツを踊るシーンが特に心に残っています。胸が温かくなるのを感じまし た。
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( 3人 )しばらくは色々な場面の曲が頭の中を流れたり口ずさんだり、余韻に浸っていました ね。
お客様からもたくさん感想をいただきました。その中の一部をご紹介します。
お客様から
「 お世辞抜きで the『芸術』というものを生で見ました!」
「 演出に感動いたしました!」 「上手な人もそれなりの人も一生懸命でした。ですから、美しくない人は誰ひとりとしていませ んでした 」
「 どの人もあの舞台に立つためにきっと一生懸命努力をしたのだろうと想像することができ、見 る人の心を打つのだと思います 」
「 素晴らしい舞台でした!心の中でブラボー&スタンディングオベイションです!」
( みか )舞台上の私たちも、とても楽しく参加させて頂きました。皆が楽しんでいる気持ちが観 客の皆さまにも伝わったようでとても嬉しいです。
スタッフの方から
「 凄い!!主役の2人をはじめ、舞踏会の群舞の美しさ、カンカンの可愛さ、全体の構成・振り付けなど、とても発表会とは思えない!樋口バレエの財産です 」
( みちよ )数々の舞台をお作りになったスタッフの方からこんな感想をいただくって凄いことで すよね!先生が大変喜んでいらっしゃいました!
( みき )全キャストが輝ける発表会ですよね!年齢、経験関係なく。閉幕後の感動的な光景もお 見せしたいくらいです。
( みか )今回、髪型担当・早替えのお手伝いは、プレッシャーもあり大変だったけど、みんなと 一緒に舞台を作る一体感を感じる事ができました。